高1のうちに何をしておくべき?推薦入試を見据えた3年間の準備ロードマップ

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「推薦入試はまだ先の話」と感じるご家庭は少なくありません。
しかし、国公立大学の推薦入試は、高3になってから急に準備すればよいものではなく、高1・高2の過ごし方がそのまま高3の選択肢につながります。実際、推薦入試は高1・高2のうちから少しずつ準備し、特に評定を取ること志望理由のネタ探しが大切です。

この記事では、高1のうちに何を意識しておくと、あとで推薦入試も含めた進路の幅を残しやすいのかを、3年間の流れに沿って整理します。

さらに、今の国公立受験では、保護者世代のころよりも推薦入試の存在感が大きくなっています。後期試験の縮小が進む一方で、学校推薦型選抜を実施する学部数は増えており、推薦を受験戦略に入れることで受験機会を広げやすくなっています。実際に、後期試験の募集定員が2000年の24,543人から2021年の15,452人へ減少し、逆に学校推薦型選抜・総合型選抜の募集定員はは2000年の22,287人から2025年の31,773人へ増加しています。

国公立大学2000年2025年
後期試験 定員(減少)24,543人15,452人
推薦入試 定員(増加)22,287人31,773人

出典:文部科学省「令和7年度入学者選抜について」(2024年10月9日公表)

「まだ高1だから」と考えて何もしないまま過ごすのと、早い段階で選択肢を知ったうえで高校生活を組み立てるのとでは、3年後の見え方が大きく変わります。この記事では、推薦入試をいま確定の目標にするかどうかではなく、高1のうちに何を意識しておくと、あとで進路の幅を残しやすいのかを整理していきます。

【合わせて見たい】推薦入試セミナー/参加者の感想

  • 「データで見る推薦入試セミナー」
  • 東海圏の大学(名古屋大学、名古屋市立大学、名古屋工業大学、岐阜大学、岐阜薬科大学)の推薦入試概要の紹介

推薦入試を意識して1年生から取り込み、受験機会が増やせるよう声を掛けつつ、見守りたいと思います。長男の時には正しく推薦入試対策をせず挑んだので、次男には目標を持って立ち向かえるよう準備したいと思います。(保護者)

早いスタートを切って、1年生から成績を上げ、推薦入試も受けられるようにして受験回数を増やすことの大切さが伝わってきました。(保護者)

推薦入試に対しての新たな視点を通して、新たな気づきを得ることができた。この気づきを自分の進路選択の一つのルートとして頭の片隅に入れておきたい。(岐阜北高校:生徒)

目次

推薦入試は高1から意識する価値があるのか?

国公立大学の推薦入試というと、「特別な実績がある一部の生徒だけが受けるもの」と思われがちです。ですが、実際には多くの生徒に開かれた制度で、高校ごとに推薦枠が固定されているわけでもありません。直前ではなく、高校1年生から準備すれば、多くの生徒が挑戦できる入試制度です。

さらに、今の国公立受験では、推薦入試を早めに知っておく意味が以前より大きくなっています。先ほど後期が減り推薦入試の定員が増加していると述べましたが、後期試験は減少にとどまらず、後期試験廃止の傾向が強まっています

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前期・中期試験後期試験
東京大学6学部0学部
京都大学10学部0学部
大阪大学11学部0学部
名古屋大学9学部1学部
名古屋市立大学6学部4学部
岐阜大学6学部4学部

つまり、保護者世代の「前期・後期の2回勝負」は実現できない大学も存在し、現在は「推薦も含めて受験機会をどう確保するか」を考える時代に変わってきています。

東海圏の主要大学を見ても、推薦入試の存在感は小さくありません。資料では、推薦合格者割合が**名古屋大学18.1%、名古屋工業大学13.9%、名古屋市立大学28.7%、岐阜大学21.8%**と示されています。大学や学部によって差はありますが、「国公立は一般入試だけ」と考えてしまうと、見落とす情報が多いのが実情です。

大学推薦割合
名古屋大学18.1%
名古屋工業大学13.9%
名古屋市立大学28.7%
岐阜大学21.8%

出典:各大学2025年入試統計データより

推薦入試を高1から意識するというのは、高1で進路を確定させることではありません。
そうではなく、将来使える選択肢を知ったうえで高校生活を組み立てることに意味があります。

<合わせて読みたい>国公立大学の推薦入試は特別な生徒だけ? 多くの高校から受かっています。

高1のうちに最優先でやるべきことは何か?

高1で全部を決める必要はありません。
ただ、高1のうちに意識しておきたいことははっきりあります。第一に、評定を落とさないことです。推薦入試では、あとから一気に取り返しにくい要素があるため、高1から土台を作っておくことが大切です。

特に保護者の方が押さえておきたいのは、高校入試と大学推薦では、評定の見られ方がかなり違うことです。大学推薦では、高1・高2・高3を均等に見る前提で考える必要があります。つまり、「1年生のうちはまだ大丈夫」という感覚では、後から苦しくなる可能性があります。

高校入試と大学推薦での評定の見られ方

入試1年生2年生3年生
愛知県の高校入試0%0%100%
岐阜県の高校入試25%25%50%
国公立大学の推薦入試33.3%33.3%33.3%

また、評定は模試の成績だけで決まるわけではありません。資料では、評定に関わるものとして定期考査、提出物、課題テスト、単元テストが大きいと説明されています。高1で優先したいのは、まず学校の学習を丁寧に回すことです。模試の順位だけでは、推薦入試の準備としては不十分になりやすいからです。

高校によって評定平均(内申点)の基準は違います。さらに言うと、教科によっても基準は異なります。基本は定期考査の点数ですが、提出物や単元テストなども影響してきます。年度の最初の授業などで説明されることが多いので、聞き漏らさないようにしておきましょう。分からない方は、高校の先生に聞きましょう。

もう一つ大切なのが、興味の種を集めることです。高1の段階で学部や将来の仕事がはっきり決まっていなくても問題ありません。ただ、あとで志望理由書を書くときには、自分が何に関心を持ってきたのかを言葉にできる必要があります。高1では「決める」ことより、「触れる」ことが大切です。大学の学部を少し調べる、社会課題に目を向ける、探究活動に前向きに取り組む。そうした小さな行動が、後で効いてきます。

ここまで読んで、「今の成績で推薦も視野に入るのか知りたい」と感じた方は、説明会や個別相談で早めに整理しておくのがおすすめです。

高1で意識したいこと

観点高1で意識したいこと
評定定期考査・提出物・課題テストを丁寧に積み重ねる
学力学校の学習を土台に、共通テストにつながる基礎を作る
情報推薦入試という選択肢があることを親子で知る
興味学部・社会課題・探究などに少しずつ触れていく

高1は、派手な実績を作る時期ではありません。
土台を整え、材料を集め始める時期と考えると、無理なく動きやすくなります。まずは、高校1年生から各大学のオープンキャンパスに参加してください。夏に開催されることが多いですが、事前申し込みは5月中旬以降から始まります。文系理系にこだわらず今持っている興味で参加する学部を決めて大丈夫です。参加する学部に検討がつかない場合、学校の先生や塾・予備校の先生に相談をして決めるのが有効です。

高2では何を広げ、何を具体化するべきか?

高1が土台づくりの時期だとすれば、高2はその土台の上に「方向」を作っていく時期です。まだ志望学部が完全に固まっていなくても問題ありませんが、興味のある分野を少しずつ具体化していくことが、高3での志望理由書や面接準備につながります。高2で大切なのは、なぜその分野に関心があるのかを言葉にできる材料を増やすことです。

ではここで、名古屋大学工学部の推薦入試で提出が必要な志望理由書のお題を見てみましょう。

学科を志望する動機、その学科で学びたい内容、大学で学んだことをどのように活かしたいかを具体的に述べてください。その際、これまで、どのような科学的あるいは技術的課題に関心を持ち、それについてどのように考えているのか、についても具体的に述べてください。

引用:名古屋大学 公式HP

高校3年生の時に、『科学的あるいは技術的課題に関心を持ち、それについてどのように考えているか』のようなお題を与えられて、なかなか答えられるものではありません。高校2年生時から興味・関心があることに対して少しずつ興味の幅と深さを広げていく必要があります。

推薦入試では、「その大学・学部で何を学びたいのか」「その関心はどう育ってきたのか」が問われやすくなります。そのため、高2では講演会、探究活動、読書、大学調べ、オープンキャンパスなどを通じて、関心の種を少しずつ深めていくことに意味があります。一見遠回りに見えても、後で振り返ると、こうした経験が志望理由の中身を支えることが少なくありません。

また、志望理由書は高3になって突然ひらめくものではありません。今はAIで文章を整えること自体はできますが、面接では中身をかなり深く聞かれます。AIで作成したレベルの志望理由書では、面接の時にボロが出てしまいます。表面的に整えただけの志望理由では通用しにくいため、高2のうちから「自分は何に関心があるのか」「どんな授業や体験が印象に残っているのか」を少しずつ整理しておくことが大切です。

高2で広げたい「志望理由の材料」

行動後でどう役立つか
講演会・研修に参加する関心のきっかけを言語化しやすい
探究活動に取り組む問題意識や考え方の深まりを示しやすい
大学・学部を調べる「なぜその学部か」を具体化しやすい
関連分野の本や記事を読む志望理由に厚みが出やすい
オープンキャンパスに参加する学びたい内容を具体的にイメージしやすい

高2では、「答えを出す」ことよりも、あとで答えを作れる材料を増やすことを意識すると進めやすくなります。オープンキャンパスだけでなく、学校で開催される講演会、各大学で開催されるセミナーなどを積極的に活用しましょう。東大などは一般市民対象に多くの無料講演会を開いていますオンラインもあるので一度チェックして見てください。

<実際に名古屋大学工学部の推薦入試に合格した生徒さんの推薦対策>

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  • 名古屋大学 工学部 機械航空宇宙学科 合格
  • 推薦入試
  • 大垣北高校出身
  • リード予備校大垣駅前校卒

高3になると何が始まり、なぜ直前準備では苦しいのか?

高3になってから推薦入試を本格的に考え始めるご家庭は多いですが、資料では「急に準備を始めるとかなり大変」と説明されています。理由は、共通テストや一般入試の勉強と並行しながら、志望理由書、面接、小論文、校内選考の準備まで進める必要があるからです。高3は、ひとことで言えばやることが一気に重なる時期です。

推薦入試で受かる可能性が十分にある生徒さんでも、直前に用意をしようとすると、「志望理由書に何を書いたらいいのか分からない」「推薦入試を準備している時間がない」などの理由で断念します。事前に準備をすれば、高3の夏前に志望理由書の骨子を作成し、余裕を持って推薦入試に挑戦し合格可能性を上げることができます。

国立大学の推薦入試には、大きく分けて共通テストを課す推薦共通テストを課さない推薦があります。前者は共通テスト後に実施され、2月中旬ごろに合格が出ることが多く、後者は10〜11月ごろに実施され、12月ごろに合格発表となるケースが多いと整理されています。どちらにしても、高3の秋以降は想像以上に早く動きます。

だからこそ、高1・高2での積み上げが意味を持ちます。高1で評定の土台ができていて、高2で志望理由の材料が集まり始めていれば、高3では「ゼロから全部作る」負担を減らせます。逆に、そこが空白だと、高3で勉強と書類準備を同時に抱え込みやすくなります。

推薦入試の大まかな時期感

方式主な時期特徴
共通テストなし推薦高3の10〜11月ごろ実施、12月ごろ合格発表が多い比較的早い時期に進路が決まることがある/学科試験があることも
共通テストあり推薦1月中旬の共通テスト後、2月中旬ごろ合格発表が多い共通テストに加えて面接・小論文などで判定される

高3で慌てないためには、高1・高2で少しずつ準備を進めておくことが、結局いちばん効率的です。

国公立大学の推薦入試は学力がいらない入試なのか?

ここは誤解しやすいところですが、国公立大学の推薦入試は「学力不問の入試」ではありません。多くの大学・学部で共通テストの得点が必要であり、評定平均が不要な学部があっても、共通テスト、志望理由書、面接などを含めた総合的な入試です。つまり、共通試験でその大学に受かる学力(いわゆるボーダーライン/下表参照)は求められます。

実際、推薦入試で必要となるものとしては、評定平均、共通テスト、志望理由書、面接、学科試験などが挙げられています。大学や学部によって比重は異なりますが、推薦は「評定だけ」「面接だけ」で決まるものではありません。複数の要素を組み合わせて評価される入試だからこそ、早い段階から偏りなく準備していくことが大切です。

さらに、今の共通テストは保護者世代のセンター試験よりも重くなっています。1999年のセンター試験が5教科7科目、から2025年の共通テストが6教科9科目と科目が増え、難易度は昔に比べ難しくなったとされています。推薦を視野に入れるとしても、勉強を軽く見てよいわけではありません。むしろ、推薦も一般も見据えるからこそ、高1から学力の土台を作っておくことが大切です。

国公立推薦で見られやすい要素

要素位置づけ
評定平均一部で不要な場合もあるが重要な要素
共通テスト多くの大学・学部で必要
志望理由書面接とも強くつながる重要書類
面接・口頭試問志望理由の深さが問われやすい
学科試験・小論文共テなし推薦などで課される場合がある

各大学の共通テスト ボーダーライン(工学部)

大学共通テスト ボーダーライン
東京大学 理186%
京都大学 工学部83%
岐阜大学 医学部81%
大阪大学 工学部79%
名古屋大学 工学部77%
名古屋工業大学 工学部72%
岐阜大学 工学部63%

多くの国公立大学の推薦入試は、共通テストの点数が必要になります。それぞれの大学のボーダーラインをとる学力は求められますので、推薦と一般は対立するものではなく、同じ土台の上で選択肢を広げるものとして考える方が自然です。

保護者は高1の段階でどんなサポートをするとよいのか?

高1の保護者に求められるのは、子どもに早く結論を出させることではありません。まずは、推薦入試という選択肢があることを知り、学校成績や提出物の積み重ねが将来の選択肢につながることを理解し、情報に触れる機会を作ることが大切です。資料でも、保護者のサポートが必要であり、塾に通っている場合は「推薦入試も考えています」と早めに伝えることが重要だとされています。

保護者が高1の段階でできることは、派手ではありません。けれども、学校の成績や提出物の状況を一緒に確認する、大学や学部の情報に触れる機会をつくる、興味のある分野の話を聞いてみる。そうしたことだけでも、評定の土台づくりや志望理由の種づくりには十分意味があります。

高1の保護者がサポートしやすいこと

サポートねらい
学校の成績・提出物の確認評定の土台を整える
説明会や大学情報に触れる機会を作る情報不足を防ぐ
塾や学校に推薦も視野にあると伝える早めの伴走につなげる
興味のある分野の話を聞く志望理由の種を育てる

高1でやることは地味に見えますが、その小さな積み重ねが後から大きな差になります。

保護者が先に制度を知っておくことで、お子さまの選択肢を広げやすくなります。
ご家庭だけで判断せず、一度説明会や個別相談で整理してみるのも一つの方法です。

下記のボタンより、「推薦に関して相談したい」と記載ください。佳山が相談にのらせていただきます。お電話でもZOOMでも対面でも可能です。

高1から推薦入試を見据えると、高校3年間の過ごし方はどう変わるのか?

ここまで見てきた内容を整理すると、高1から推薦を見据えることは、特別な実績づくりを早く始めることではありません。高1では評定と学習習慣の土台を作り、高2では興味の方向を広げ、高3で書類・面接・共通テストを仕上げる。この流れを早めに理解しておくことに意味があります。

高1で全部を決める必要はありません。
ただ、何も知らないまま3年間を過ごすのと、選択肢を知ったうえで動くのとでは、大きな違いがあります。推薦入試を使うかどうかは高3で最終的に判断するとしても、高1から知っておくこと自体が、その後の進路の幅につながります。

推薦を見据えた3年間の過ごし方

学年主なテーマ具体的に意識したいこと
高1土台づくり評定、提出物、学習習慣、情報収集
高2具体化興味の深掘り、学部調べ、探究、読書、講演会
高3仕上げ共通テスト、志望理由書、面接、出願準備

まとめ 高1の小さな積み重ねが推薦入試の選択肢を広げる

国公立大学の推薦入試は、高校3年生になってから突然考え始めるより、高1・高2のうちから少しずつ意識しておいた方が動きやすい入試です。高1で全部を決める必要はありませんが、評定を意識し、情報に触れ、興味の種を集めておくことには大きな意味があります。

まずは、学校の成績の見方を少し変えること、そして推薦入試という選択肢を親子で知ることから始めてみてください。その小さな一歩が、高校3年生になったときの選択肢の広さにつながっていきます。

推薦入試は、高3になってから急に考えるより、高1・高2のうちから見通しを持っておくほうが動きやすくなります。
お子さまの成績状況や志望校に合わせて、今の段階で何を意識するとよいか知りたい方は、個別相談もご活用ください。 下記のボタンより、「推薦に関して相談したい」と記載ください。佳山が相談にのらせていただきます。お電話でもZOOMでも対面でも可能です。

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