大学受験を考え始めたとき、
「理系に進みたいけれど、どの学部・学科を選べばいいのだろう」
「得意科目はあるけれど、英語や国語が不安」
と悩む高校生や保護者の方は多いのではないでしょうか。
今回取り上げるのは、岐山高校から名古屋大学工学部電気電子情報工学科に進学した生徒の体験です。高校1年生のはじめは校内で真ん中くらいの成績だったものの、高校3年生では1位や2位に入るまで伸び、最終的に名古屋大学に合格しました。
この記事では、本人の志望理由や成績の推移、受験で感じた後悔、そして先生がどのように支えたのかを、高校生とその保護者に向けて分かりやすく整理します。これから理系受験に向かうご家庭にとって、進路選びや勉強の進め方を考えるヒントになれば幸いです。
- 岐山高校出身
- 名古屋大学 工学部 電気電子情報工学科に合格
- 前期試験合格
- リード予備校 長良校卒
なぜ名古屋大学工学部を目指したのか?
本人が名古屋大学を第一志望にしたのは、高校2年生のときでした。きっかけは、物理の授業が始まったことです。数学や物理に興味を持つようになり、その関心から工学部を志望するようになったと話しています。
この流れは、多くの高校生にとって自然なものです。最初から明確に学部や学科が決まっている人ばかりではありません。学校の授業を通して興味が深まり、その中で進みたい分野が見えてくることもあります。
一方で、この記事で大事にしたいのは、興味を持てたこと自体だけではありません。本人は後になって、学科選びを十分にしないまま受験勉強を始めたことを後悔したと語っています。つまり、「理系だから工学部」と決めるだけではなく、その中で自分が何を学びたいのかまで考えておくことが、受験を進めるうえで大切だということです。
保護者にとっても、学部名や大学名だけで進路を考えるのではなく、お子さんが数学や物理のどんな内容に興味を持っているのか、将来どんな分野に関わりたいのかを一緒に整理していくことが重要です。
成績はどのように伸びたのか?
この生徒の成績推移は、受験勉強の積み重ねの大切さをよく示しています。高校1年生のはじめの進研模試では、校内で真ん中くらいだったそうです。そこから高校2年生の秋から冬にかけては、校内10番以内に入ったり入らなかったりという位置まで上がりました。そして高校3年生になると、校内で1位や2位に入るようになります。
最初からトップ層だったわけではなく、学年が上がるにつれて着実に力を伸ばしていった点は、高校生にも保護者にも大きな参考になります。難関大学の合格者というと、初めからずっと成績上位だったように見えることもありますが、実際には途中から大きく伸びるケースも少なくありません。
共通テストでは全体で812点ほど。二次試験では、数学が6割から7割の間、理科は物理と化学がどちらも8割を少し超えたくらい、英語はおそらく5割くらいだったと振り返っています。
この得点バランスから見えてくるのは、理系受験では「すべてを同じように得点する」よりも、「自分の強みをしっかり伸ばしながら、苦手科目で大きく崩れないようにする」ことが重要だという点です。特に名古屋大学工学部のような難関大を目指す場合、理系科目で高い得点力を持つことが大きな武器になります。
保護者の立場では、模試の順位や偏差値だけで一喜一憂するのではなく、どの科目が伸びていて、どの科目に課題があるのかを長い目で見ていくことが大切です。
理系が得意でも、文系科目の対策は後回しでいいのか?
答えは、後回しにしないほうがいい、です。
この生徒を指導した先生も、理系科目についてはかなり安心して見ていた一方で、文系科目に苦手があることを重視していました。そのため、英語や国語、地理といった科目には早めに取り組ませたいと考えていたそうです。
これは、理系受験生にとって非常に現実的なポイントです。数学や物理、化学に力を入れるのはもちろん大切ですが、共通テストや大学受験全体で見ると、英語や国語、地理などの文系科目を避けて通ることはできません。理系科目が得意な生徒ほど、「苦手科目は後で何とかしよう」と考えがちですが、その判断が後半で苦しくなる原因になることがあります。
実際に先生は、地理は範囲が広くボリュームが多いため、夏休みにしっかり取り組ませたいと考えていました。また、国語については、放っておくと最終的に捨ててしまいかねないという心配があったため、特に古文は早い時期から取り組ませ、夏ごろにはどんどん演習できる体制を取ろうとしていたそうです。
このエピソードから分かるのは、苦手科目は「できるようになってからやる」のではなく、「苦手だからこそ早く着手する」ことが重要だということです。
高校生にとっては、得意科目ばかり勉強したくなる気持ちはよく分かります。しかし、受験では苦手科目を完全に避けることはできません。保護者としても、「苦手だから後回し」ではなく、「苦手だから今から少しずつ」という声かけができると、受験全体の安定感につながります。
学科選びは、受験勉強の前にどこまで考えるべきか?
この生徒が受験を終えて振り返ったとき、後悔していたのは、やりたいことや学科選びをあまり考えないまま受験勉強を始めてしまったことでした。受験の直前期になって、どこの学部にしようかと迷った時期があったそうです。
これは、成績が伸びていたからこそ、かえって見落としやすいポイントかもしれません。勉強が順調に進むと、つい「まずは点数を上げること」が優先になり、学部や学科について考える時間が後回しになりがちです。しかし、進路の軸が定まっていないと、受験直前になって迷いが出てしまうことがあります。
学科選びは、単に合格しやすいかどうかで決めるものではありません。何に興味があるのか、大学で何を学びたいのか、将来どんな分野に関わりたいのかを考えながら決めていくことが大切です。もちろん、高校生の段階で将来像を完璧に決める必要はありませんが、自分の興味と学びたい内容をある程度結びつけておくことで、受験勉強にも納得感が生まれます。
保護者の方も、「とにかく偏差値の高い大学へ」という視点だけではなく、お子さん自身が前向きに学べる進路かどうかを一緒に見ていくことが大切です。大学名や学部名だけでは分からないことも多いため、学科の内容や学べる分野まで確認する習慣を持つと、進路選びの後悔を減らしやすくなります。
成績を伸ばした生徒に共通する姿勢とは?
この生徒について、先生が印象的に語っていたのが「謙虚さ」です。いろいろ悩むことがあっても、「今こんなことをやっているのですが、どうしたらいいですか」と自分から質問し、アドバイスを受けたら、まずは一度やってみる姿勢があったといいます。
ここで大事なのは、言われたことをただ受け身でこなすだけではない点です。先生の助言を一度試し、自分なりに試行錯誤しながら次につなげていく。この姿勢が、大学受験を乗り越えるうえでとても重要だったのではないかと先生は振り返っています。
受験勉強では、誰でも迷う時期があります。勉強法が合っているのか分からない、成績が思うように伸びない、何を優先すべきか迷う。そうしたときに、一人で抱え込まずに相談し、助言を受けて試してみる柔軟さは、大きな力になります。
高校生にとっては、「質問できること」そのものが強みになることがあります。分からないことを分からないままにしない。自分の考えを一度外に出してみる。その姿勢が、結果として成績の伸びにつながっていくのです。
保護者としても、お子さんが悩んでいるときにすぐ答えを出すのではなく、「学校や塾の先生に相談してみようか」「一度やってみて合うか考えよう」と背中を押す関わり方が役立つ場面があります。
先生の支え方や学習環境は、どんな意味を持つのか?
本人は、勉強法が分からないときに聞きに行くと、すぐにいろいろ教えてくれたと話しています。また、すぐには答えにくい内容についても、その場で流すのではなく、「少し考えていい」と時間を取って真剣に向き合ってくれる先生だったそうです。
このように、質問したときに全力で答えてくれる先生の存在は、受験期の安心感につながります。特に難関大学を目指す場合、自分一人では判断しにくい場面が増えます。何を優先して勉強すべきか、苦手科目にどう取り組むか、今のやり方でいいのか。そうした悩みを相談できる相手がいることは、とても心強いことです。
動画の中では、リード予備校のよさとして、高1や高2の夏までは対面授業で定期テスト対策をしっかり行い、その後はマナビスを活用して本格的な受験対策ができる点も挙げられていました。さらに、質問したときに先生が全力で答えてくれることも特徴として紹介されています。
ただし、ここで本質的に大切なのは、塾名そのものよりも、「自分に合った形で支えてくれる学習環境があるか」という点です。高校生にとっては、質問しやすいこと、学習段階に応じてサポートを受けられることが、継続的な学習につながります。保護者も、学習環境を選ぶときは、授業の形式だけでなく、相談のしやすさやフォローの丁寧さにも目を向けたいところです。
春休みに何を始めると、受験のよいスタートになるのか?
本人からのメッセージとして語られていたのが、「まずは学科選びをしっかりやってほしい」ということと、「この春休みでしっかり勉強習慣をつけてほしい」ということでした。
これは、高校生にとって非常に実践的なアドバイスです。受験勉強は、高3になってから急に始めるものではありません。春休みのような区切りの時期に、毎日勉強する習慣を少しずつ整えておくことで、その後の伸び方が大きく変わってきます。
特に、生活リズムが崩れやすい長期休みは、受験への土台をつくる絶好のタイミングです。長時間勉強することだけが大事なのではなく、毎日机に向かう、苦手科目にも触れる、復習を習慣にする、といった基本を固めることが、後々の大きな差になります。
保護者の方にできることは、無理に勉強量を増やさせることだけではありません。毎日の生活リズムを整えやすい環境をつくること、進路の話を落ち着いてできる時間を持つこと、小さな継続を認めることも、受験のスタートを支える大事な関わり方です。
まとめ|名古屋大学工学部合格者の体験から、高校生と保護者が学べること
岐山高校から名古屋大学工学部電気電子情報工学科に進学したこの生徒の体験からは、いくつもの大切な学びがあります。
まず、成績は最初から完成していなくても、積み重ねによって大きく伸ばせるということです。高校1年生の時点で校内真ん中くらいでも、高2、高3と着実に伸びていくことは十分に可能です。
次に、理系受験では得意科目を伸ばすだけでなく、英語・国語・地理といった苦手科目にも早めに向き合うことが重要だという点です。特に苦手科目は、後回しにせず、計画的に取り組むことが合格につながります。
さらに、受験勉強と同じくらい大切なのが、学科選びです。自分が何を学びたいのかを考えないまま勉強を進めると、直前期に迷いが出ることがあります。高校生本人だけでなく、保護者も一緒に進路について考える時間を持つことが大切です。
そして最後に、素直に質問し、助言をまず試してみる姿勢が、成績を伸ばす土台になるということも見えてきます。受験は一人で完結するものではありません。先生や周囲の支えを受けながら、自分なりに試行錯誤を続けることが、最終的な結果につながっていきます。
これから受験に向かう高校生と保護者の方は、ぜひこの体験を参考に、学科選びと勉強習慣づくりを早めに始めてみてください。春休みの過ごし方や、今の科目バランスを見直すだけでも、受験へのスタートは大きく変わります。
進路選びや受験勉強の進め方に迷っている方は、まず「どの学部・学科で何を学びたいのか」と「今の苦手科目にいつ着手するか」を整理するところから始めてみましょう。本人の興味と学習状況を言葉にしてみるだけでも、次の一歩が見えやすくなります。


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